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（前文からの続き）
麻生太郎前総理との会談と比較してメドベージェフ大統領は身を乗り出して鳩山総理と話をしているという雰囲気が伝わってくる。また、ロシア大統領公式ＨＰは鳩山総理の発言について、〈両国間には領土問題が存在する。私たちはこの問題を最終的に解決して平和条約を締結したい。私たちはそれを現在の、私たちの世代で実現したい。〉と述べたことも伝えている。
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│アイヌの権利尊重で│
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筆者(佐藤優)は、中国、中央アジア、コーカサス地域におけるイスラーム原理主義に基づく武装勢力の脅威などを防ぎ、エネルギー資源、ハイテク技術の開発などの分野を中心にして、日露関係を総合的に発展させるなかで北方四島の日本への返還を探ることが現実的と思う。そのとき日ソ共同宣言に埋め込まれた英知が役に立つ。共同宣言の領土返還に関する部分を乱暴にまとめてしまうと、「平和条約締結後にロシアが日本に歯舞群島、色丹島を返還する」ということだが、共同宣言の文言に「返還」という言葉は使われていない。〈ソヴィエト社会主義共和国連邦は、日本国の要望にこたえかつ日本国の利益を考慮して、歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。〉という表現で「引き渡すこと」という言葉が用いられている。返還ならば、本来、これら諸島が日本領であったことを意味する。
これに対して、引き渡しならば、ロシア領である諸島を日本に贈与するという解釈も可能になる。1956年当時の日本は敗戦の１１年後でまだまだ国力も弱かった。それに東西冷戦構造の下で、体制を異にする日本とソ連が信頼関係を構築することは、難しかった。しかし、時代は変化した。日本の国力は格段に強化された。また、日本もロシアも資本主義国家である。従って、北方領土問題を1956年時点よりも日本にとって有利に解決する環境は整っているのだ。
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