野中 星
【内 国 植 民 地】
〔＆〕
日本国家がアイヌ民族に対して加えた最大の悪事は、「蝦夷処分」であり、この行為こそがアイヌ文化に対し壊滅的な打撃となった。1869(明治ニ)年、明治政府は蝦夷地(アイヌモシリ)を「無主の地」(持ち主のいない土地)として「没収」しこれを北海道と改称し、開拓使(政府機関:北海道庁の前身)を設置した。これによって、これまでの国外植民地蝦夷地は、国内植民地北海道となり、その後の近代資本主義体制の形成につれて、根こそぎ搾取・収奪されることになった。これを「蝦夷処分」といい、これがさらに琉球処分、台湾処分、韓国併合…へと続き、(帝国主義政府の)対外侵略の出発点となり、カナメとなったのである。
(『現代日本の偏見と差別』 新泉社編集部 より抜粋)
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