野中 星
【2009(平成21). 7.12 〔朝日新聞より抜粋〕 平和デモ 警官が阻む 囲まれ銃声 倒れる人 新彊騒乱 市民証言】
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ウルムチ市内図
中国新彊ウイグル自治区ウルムチ市内で起きた大規模な騒乱から12日で１週間になる。騒ぎが拡大した経緯を、目撃証言からたどった。
ウイグル族のデモは５日午後、市中心部の人民広場近くで始まった。同日昼、「合法的に政府に抗議しよう」という内容の携帯メールが出回っていた。デモの写真を見ると、学生らが整然と行進している様子がわかる。「平和的だった」とウイグル族の市民は口をそろえる。
だがデモ隊の前に武装警察官らが立ちはだかり、事態は急変。参加者の一部が拘束され、多くは大通りの解放南路を南下したとみられる。(略)
デモ隊は治安部隊に前後を囲まれ、石を投げて抵抗した。
前方の治安部隊が空に向かって警告射撃を始め、その後、水平に撃ち始めた。(略)
解放南路の交差点では三方から治安部隊がデモ隊を囲み、発砲。路地や団地の中庭などに逃げ込むデモ参加者を治安部隊は発砲しながら追い、拘束した。
10時ごろまで銃声が鳴りやまなかったという。
新彊ウイグル自治区政府は11日、騒乱の死者数が１８４人に上ったことを確認した。内訳は漢族が１３７人（男性１１１人、女性26人）、ウイグル族46人（男性45人、女性１人）、回族男性１人。民族別内訳を出したのは初めてだ。しかし７日には漢族がウイグル族居住地区を襲撃、他都市でも被害情報がある。政府発表がこれらを含んでいるかは不明だ。ウイグル族の間では再び「数百人が死んだ」とのうわさが広がっている。
各国のウイグル人組織でつくる世界ウイグル会議は死者数を「８００人以上」と主張。さらにＡＦＰ通信によると、同会議首席のラビア・カーディル氏は10日、死者が３千人に上る可能性もあるとの見方を示した。
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