野中 星
【2009(平成21). 8.12 〔朝日新聞より抜粋編集〕ウイグル式の家屋取り壊し￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣カシュガル｢再 開 発｣名目￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣住民「民族文化の破壊だ」】
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中国・新彊ウイグル自治区のカシュガル市で、ウイグル族の伝統的な家屋が並ぶ旧市街の約８割を取り壊す再開発計画が進んでいる。市当局は「防災対策と都市の近代化」が目的と主張するが、ウイグル族住民は「ウイグル族文化の破壊だ」と反発している。
市政府は旧市街の６万５千世帯のうち５万１千世帯を取り壊して約１平方㌔に縮小、近代住宅や広い道路などを整備する計画で、住民に補償金を支払い、新たな住宅も伝統様式を保つよう配慮するともしている。
当局にとっては、テロ対策の側面もある。イスラム系少数民族が圧倒的に多いカシュガルは反政府活動が活発で、近隣のパキスタンやアフガニスタンからイスラム過激派が流入しているとも指摘され、中国当局は神経をとがらせている。人が密集し、道が入り組む旧市街は、テロリストが潜伏するのには好都合だという。
再開発に対するウイグル族住民の反発は強く、「多くの住民が反対しているが、政府が決めたら拒否できない」「計画には絶対反対だが、口にすれば逮捕される」と話す。
亡命したウイグル族がつくる世界ウイグル会議などは「ウイグル文化の破壊」「強制的な同化政策」として非難している。だがヌル・ベクリ自治区首席は「旧市街はすべて土くれの家で文化的価値はない。ぼろ屋をウイグル文化と言いくるめるのはウイグル文化をけなすものだ」と反論し、非難合戦が続いている。
カシュガル
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