野中 星
【2009(平成21). 6.30 〔朝日新聞記事より〕 アイヌ支援策の全国拡大求める 有識者懇が素案】
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政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」は29日、報告書の素案をまとめた。北海道以外に住むアイヌ民族の生活実態を調べ、これまで道内に限定されていた生活支援策を全国に広げることが柱。 7月29日にまとめる報告書には、こうした施策を実現するための必要性も盛り込み、河村官房長官に提出する予定だ。
北海道庁によると、道内のアイヌ民族は2006年度で約２万４千人。道外居住者ははっきりしないが、1988年の東京都の調べでは、都内に約2700人いるという。首都圏を中心に数千人いるともいわれる。
素案は、アイヌ民族に対する理解を促進するため、①歴史や文化を教える指導者の育成②義務教育の学習指導要領にアイヌ民族の歴史や文化の盛り込みを検討③アイヌ民族に関する教科書の記述量の増加④「アイヌ民族の日」(仮称)の制定――などを求めた。
「アイヌの人々とそれ以外の生活や教育面の格差が差別につながっている」として、格差解消のための支援策の必要性にも言及。明記はしていないが、北海道が実施している奨学金などを国が行うことを想定している。さらに、アイヌ施策の継続・推進のために政府や国会に立法措置を求めることを盛り込む。
有識者懇は昨年７月、アイヌ民族を先住民族と認めるよう政府に求めた国会決議を受けて設置された。佐藤幸治・京大名誉教授を座長に、８人で９回会合を開催。アイヌの人々から生活状況や差別の現状を聴くなどしてきた。
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