野中 星
【2009(平成21). 6.26 〔週間金曜日 756号より〕「アイヌ民族の日」実現に向けて 札幌でイベント開催】
〔＆〕
「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が国会で採択されてから一年。高橋はるみ北海道知事は、19日の道議会一般質問で「アイヌ民族の日」を制定する考えを示した。これは知事がアイヌ民族の啓発活動として国に制定を求めていたもので、国に先駆けることで国が具体的な施策を講ずることを促そうというもの。
また、決議が出された六月六日を「アイヌ民族の日」にしようと、六日、札幌では「ウコ イソイタク 2009」(ウコ イソイタク＝互いに話そう)が開催された。(略)
パネルディスカッションでは(略)「国会決議は大きな第一歩。しかし日本は強大な官僚国家、油断はできない」「権利より今は言語と文化の伝承が大事」「北海道と他の地域ではアイヌ民族に対する認知度が絶対的に違う。その上で歴史認識の問題をどう国民に伝えていくか」などの意見が出た。
会場からは樺太出身のアイヌの立場として、自由に国家間を行き来できるような「越境権」の問題に触れ、政府が責任を負うべきだとの意見も出た。国会決議を受け有識者懇談会が設置され、八月に答申が出る。アイヌ民族としては文化の保護という観点だけでなく、侵害されてきた先住民族としての権利の回復を求めている。(以下略)
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