野中 星
【《竹島・尖閣諸島の問題と北方領土について》】
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尖閣諸島の一部。いずれも無人島。手前から南小島、北小島、魚釣島。(時事)
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竹島(対:韓国)、尖閣諸島(対:中国・台湾)については、いずれも無人島(だった)であり、日・中・韓の間で過去、領有権を取り決める条約を結んだ事がなく、先占(他国より先に占有する事)の要件と歴史的根拠を背景として各国が争っている。
そして、現在の状況について、韓国は竹島を新羅時代から欝陵島の付属島群として領有していたと主張し、1954年以降から軍事占拠を続けており、日本政府が抗議を繰り返している。
尖閣諸島に於いては、日本が実効的に管理(支配)しているが、中国は1372年から行っていた琉球貿易(朝貢関係)の航海記録文献などを基に1971年から主権を主張している(台湾も)。
日本側の主張は、両地域については明治以降、近代国際法上の観点から日本に編入したとし、それ以前の現地調査に於いても、同地域が他国(中国・台湾・韓国)から侵入(開拓)された証拠、形跡(建物、国の目印など)が無かった事を理由に先占を主張。それと共に、過去に於いても日本(琉球人を含)のみが優先的に実質的支配(番屋、中継基地などとして)をしていたという説だ。
それにサンフランシスコ講和条約では、この両地域は放棄していないという法的根拠も挙げている。(尖閣諸島が台湾の付属島に含まれない法的根拠の一つに1895年の下関条約の中の台湾の範囲にも同島は所属していない)
また、中国(清国→中華民国→中華人民共和国)は、尖閣諸島が日本に編入されてから75年もの間に、一度も主権を主張した事がなく、石油資源埋蔵の可能性が指摘された1970年頃になって始めて主権を主張した事に奇異感を抱く。
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