《新聞・雑誌記事より》

〔&w〕

《前文からの続き》

 昨年六月六日、衆参両院は「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を全会一致で可決した。町村信孝官房長官(当時)は「アイヌの人々が独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族であるとの認識のもとに」「国際連合宣言における関連条項を参照しつつ、これまでのアイヌ政策をさらに推進し、総合的な施策の確立に取り組む」と表明。当時G8北海道洞爺湖サミットを控えて国際PRの側面があったにせよ、日本政府が初めて公式にアイヌを先住民族と認めた。
 国連宣言に拘束力はないものの、この瞬間、日本政府はアイヌ民族に対する補償・救済を国際公約したことになる。
 それが、アイヌの人々に大きな自信をもたらしている。


「市民同士の連帯がカギ」
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 アイヌ民族はこの「後ろ盾」をシンプルな方法で行使し始めた。
 北海道最大のアイヌ団体「社団法人北海道アイヌ協会」(会員数約3500人、札幌)の理事長で、ただ一人アイヌ民族として有識者懇談会委員を努める加藤忠さんは、初会合(昨年8月11日)で「(国連)宣言に盛り込まれた権利を、歴史の真実と社会正義に基づき、新しく築き上げていただけると期待している」と述べた。
 道外のアイヌグループや各国の先住民族とも結び合うAINU(前出)は今年4月21日、国連宣言を〈100%活用し、その内容を速やかに具体化・実施するよう〉求める提言書を懇談会に送った。具体的には、アイヌ自治政府を設立するための措置などを要求している。
 別の市民グループ「チ カラ ニサッタ〜我らつくる明日〜」(島崎直美・小泉雅弘代表、札幌)も同月、〈(国連宣言の)すべての条項がアイヌ民族に対しても保障されなければなりません〉などとする懇談会あての提言を公表した。
 また、明治から昭和期にかけて和人医学者たちが調査名目でアイヌ墓地を発掘して多量の遺骨と副葬品を持ち去った事件を掘り起こした「北大開示文書研究会」(清水裕二・殿平善彦共同代表、留萌)は近く、詳しい実態を自ら明らかにするよう北海道大学に質問状を出す。先住民族への遺骨返還を国家に促す国連宣言が、ここでも頼もしい。
 では和人側は、同じようにシンプルに応じられるだろうか。
 東京のNGO、市民外交センターのメンバーとして国連宣言採択に向けてロビー活動を続けてきた相内俊一・小樽商科大学大学院教授は5月、「さっぽろ自由学校『遊』」主催の市民向け講座でこんな問いを投げかけた。
「アイヌ文化を大事にしようという世論が大きくなってきたのは評価できるが、果たして文化的尊重だけでいいのか。これからもっとゴツいもの――たとえば自決権承認の要請――に出会った時、この声はどうなるだろうか」
 アイヌ自治政府から将来、土地返還要請があった場合、該当地の土地所有者はどんな反応を見せるだろう。もし分離独立を求められたら?「アイヌ文化を大事に」というのと同じノリでいられるかどうか――。
 これまで手を染めてきた「歴史的な不正義」に向き合う相当の覚悟が、一人一人にも求められるということだ。
 今はまだアイヌ自治政府は存在せず、日本政府も交渉窓口を決めていない。だがいずれそうした条件が整った時、国連宣言がいう〈パートナーシップ(対等な立場に基づく協働関係)〉を結ぶ作業が本格化する。
 その時、「アイヌ自治政府に責任を持つアイヌ市民と、日本政府に責任を持つ非アイヌ市民との連帯がカギを握ることになる」と、相内さんは話す。「市民レベルで相互理解を図って連携しながら、それぞれ自分たちの政府を動かしていければ、それが国家に責任を果たさせることにつながっていくはず」。
 同じ国内にもうひとつ先住民族政府を抱えるという未体験のステージで、一人の市民としてどう振る舞うか。和人の側が時計の針を遅らせることは、もはや許されない。

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